こんにちは。
熊本市中央区で「こたけ鍼灸整骨院」を開業しております、小竹翔太です。
今回は、梅雨の時期にひどくなる頭痛についてお話しします。
先日、50代の女性の方がいらっしゃいました。
サービス業のお仕事をされている方なのですが、
「雨が降る前日になると、頭痛や肩こりがひどくなるんです……」
とおっしゃるんですね。
「頭痛がひどくて仕事を休んでしまうこともあって……」
「今後、この頭痛がひどくならないか不安で……」
と、とても気持ちが沈んでいらっしゃいました。
しかし、当院で施術を続け、痛みの原因から対処することで、症状が緩和されていきました。
「頭痛の回数が減って、仕事を休まなくてよくなりました!」
と、うれしいお言葉もいただいています。
この記事では、なぜ梅雨の時期に頭痛がひどくなるのか、その意外な原因と、今日からできるセルフケアをお伝えします。

・梅雨の頭痛は、低気圧だけでなく手足の冷えが関係していることがあります。
・エアコンで手足が冷えると、自律神経が緊張し、首や肩に力が入りやすくなります。
・手足を冷やしすぎない工夫が、頭痛を繰り返しにくい身体づくりにつながります。
目次
「雨の前日に頭痛がひどくなる」原因は本当に「低気圧」なのか?
梅雨の時期の頭痛と聞くと、「低気圧のせいだ」「天気のせいだから仕方がない」と思う方が多いのではないでしょうか。
もちろん、低気圧の変化が引き金になるケースもあります。
実際に、気圧の低下や変動と片頭痛の頻度に関連がみられたという報告もあります。
ただし、影響の受け方には個人差があります。
つまり、低気圧は頭痛の「引き金」にはなっても、気圧だけですべてを説明できるとは限らないんです。
実際に身体を検査してみると、意外なところに原因が見つかりました。
それが、「手足の冷え」だったんです。

なぜ手足の冷えが梅雨の頭痛を引き起こすのか?
「えっ、頭痛と手足の冷えに何の関係があるの?」と思いますよね。
少し詳しく解説します。
今回の患者さんは、お仕事の関係で、夏でもエアコンの効いた室内で過ごす時間が長い方でした。
エアコンの冷たい空気に長くさらされると、とくに手や足の先で冷えを感じやすくなります。
皮膚が冷たさを感じると、身体は熱を逃がさないように、皮膚の血管を収縮させます。
これは体温を保つための正常な反応です。
言い換えると、手足が冷えると、身体はそれを「危険サイン」として受け取り、身体を守るために「戦闘モード」のスイッチを入れるんですね。

この「戦闘モード」を担当しているのが、自律神経のうちの「交感神経(こうかんしんけい)」です。
自律神経には、活動するときに働く「交感神経」と、休息するときに働く「副交感神経(ふくこうかんしんけい)」があります。
この2つが状況に合わせて切り替わることで、体を正常に保っています。
冷えによって交感神経が働くと、手足の末梢血管がギュッと締まります。
また、寒さを感じると無意識に身体を縮めるため、肩や首まわりの筋肉にも力が入りやすくなります。
たとえるなら、寒い屋外でずっと立ち続けているときに、無意識に肩を「キュッ」とすぼめ、首をすくめてしまう、あの状態が一日中続いているようなものなんです。

そして、ここに低気圧が重なるとどうなるでしょうか。
本来、私たちの身体には、気温や気圧などの環境変化に合わせ、身体の状態を一定に保とうとする働きがあります。これを専門的には「恒常性(ホメオスタシス)」といいます。
ところが、冷えや疲労、睡眠不足、ストレスなどが重なっていると、そこへ気圧の変化という別の刺激が加わり、頭痛が起こりやすくなることがあります。
つまり、次のような連鎖が起きていたと考えられます。
↓
身体が「危険サイン」を受け取り、交感神経が優位になる
↓
末梢血管が収縮し、肩や首に力が入りやすくなる
↓
そこに低気圧、疲労、睡眠不足などの負担が重なる
↓
梅雨や雨の前日に頭痛がひどくなる
ポイントは、低気圧だけではなく、「手足の冷えと自律神経への負担」が梅雨の頭痛に関係していた可能性があるということです。
梅雨の頭痛に対する当院でのアプローチ
当院では、まず頭や肩だけを揉むのではなく、自律神経のバランスと、手足の冷えの状態を丁寧に確認していきます。
その際は、痛む場所や強さだけでなく、ズキズキするのか、締めつけられるように痛むのか、吐き気や光・音への過敏があるのか、どのくらいの頻度で起こるのかなども大切な情報になります。
どこに緊張がたまっていて、どの神経の働きが乱れているのか。その根本を見極めることを大切にしています。
そのうえで、骨盤や首の調整で身体全体のバランスを整体治療で整えながら、鍼灸で手足のツボに優しく刺激を入れていきます。

手足のツボへの刺激は、身体の緊張をやわらげ、手足の冷えや全身の状態を整えることを目的に行います。
頭や肩を直接ぐいぐい揉むことは、ほとんど行いません。
肩をいくら揉んでも、おおもとの手足の冷えと自律神経の乱れが残ったままだと、また同じ症状が戻ってきてしまうことがあるからです。
身体を冷やしすぎないようにし、全身の緊張をやわらげ、自律神経のバランスを整えることが、頭痛を繰り返しにくい状態づくりにつながります。
梅雨の頭痛を和らげるセルフケア
それでは、セルフケアをお伝えします。
ドライヤーで、冷えてしまった手足をじんわり温め、身体がリラックスしやすい状態をつくっていきます。
まず、ご自宅にあるドライヤーを用意してください。
手の場合は、手のひらや手の甲にドライヤーの温風を当てます。
足の場合は、くるぶしの内側や足の甲に当てます。
距離は30センチくらい離し、「温かいな」と感じる程度にしてください。
時間は1か所につき30秒を目安に行います。

ただし、温風の温度や強さは機種によって異なるため、この距離と時間なら必ず安全というわけではありません。
ここで一番大事な注意点があります。
絶対に、肌を直接ジリジリ熱くしないでください。

ドライヤーの温風は熱を持ちやすいため、皮膚に近づけすぎたり、同じ場所へ長く当てすぎたりすると、やけどの原因になります。
「温かくて気持ちいい」これくらいでやめるのが正解です。
熱い、痛い、ヒリヒリするなどの違和感があれば、すぐに中止してください。
また、感覚が鈍い方、血流に問題がある方、乳幼児、ご高齢の方は、ドライヤーによる温めを避けてください。
夏や梅雨の時期は室内が冷えやすいため、靴下を1枚履く、薄手の長袖を羽織る、温かい飲み物を飲むなど、手足を「冷やしすぎない工夫」を取り入れてみてください。
手足を冷やさないようにするだけで、頭痛が出にくくなる方もいらっしゃいます。

最後に
今回のポイントをまとめます。
梅雨や雨の前日にひどくなる頭痛は、低気圧の変化に加えて、手足の冷え、疲労、睡眠不足、ストレスなど、複数の要因が関係していることがあります。
頭痛は、身体が「無理をしているよ」と教えてくれているサインかもしれません。
「天気のせいだから」と諦める前に、日頃のドライヤーによる温めや、エアコン環境で手足を冷やしすぎない工夫を意識するだけでも、身体は少しずつ楽な方向へ向かいやすくなります。
ただし、突然起こった激しい頭痛、これまでに経験したことのない頭痛、短時間でピークに達する頭痛、発熱、手足のしびれ・麻痺、ろれつの回りにくさなどを伴う場合は、セルフケアを行わず、すぐに医療機関へ相談してください。
梅雨の頭痛でお悩みの方は、当院のホームページからお気軽にご相談ください。
また、今回のブログは動画でもご説明していますので、ぜひご覧ください。
[監修:柔道整復師・鍼灸師 小竹翔太]