こんにちは。
熊本市中央区で「かじやまち熊本鍼灸整骨院」を開業しております院長の小竹翔太と申します。
巷でよく耳にする「ヘルニア」
皆さんの中でも腰のヘルニアになった事があり、とても辛い経験をされた事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
中には手術を選択し、病院でリハビリを受けたことがある方もおられるかもしれません。
しかし、腰のヘルニアと腰痛の明確な違いが実は分かりにくく、混同されている方もとても多いのが現状です。
今回ご紹介する患者さまも、腰痛がひどくて病院を受診されたところ「腰のヘルニア」だと診断され、その後当院を受診されました。
患者さまは当初、当院を受診されるか迷っておられました。
理由は「ヘルニアと病院で言われたけど整骨院で治療する事はできるの?」という内容でした。
実はこのように悩まれている方は意外と多く、よくご相談される事が多かった為、今回ブログで解説をさせていただく事にしました。
腰のヘルニアとはどんな状態なのか
腰のヘルニアとは、背骨の間にあるクッションの中央から柔らかい部分である髄核(ずいかく)という部分が飛び出してしまう状態を指します。
背骨はたくさんの骨が積み重なってできていて、その間には衝撃を吸収するための椎間板(ついかんばん)という柔らかい組織があります。
この椎間板が何らかの原因で傷ついたり、長年の負担で劣化したりすると、中の柔らかい部分(ずいかく)が外に飛び出してしまうことがあります。これがヘルニアです。
ヘルニアをわかりやすく例えるなら、あんこが中にぎっしり詰まったお饅頭をイメージしてみてください。
お饅頭が何らかの力で潰されると、あんこが外に飛び出してしまいますよね。
飛び出したあんこが周りの神経を圧迫することでしびれを引き起こしてしまうのです。
特に、腰から足にかけての神経が圧迫されると、足の方まで痛みが広がることもあります。
また、腰のヘルニアは単にしびれだけでなく、日常生活にも大きな影響を及ぼします。
例えば、長時間座っていることが難しくなったり、重いものを持つ事ができなくなります。
さらに、しびれがひどくなると、歩くことさえ困難になることもあります。
腰のヘルニアは中年以降の人に多く見られますが、若い人でも無理な運動や長時間のデスクワークなどが原因で発症することがあります。
腰痛とヘルニアの決定的な違い
腰痛とヘルニアは、よく混同されますが、実際には異なる症状です。
腰痛はその名の通り、腰に痛みを感じる状態を指します。
腰痛の原因はさまざまで、筋肉の疲れやストレス、悪い姿勢などが主な要因です。
一方、ヘルニアの最大の特徴は、腰そのものの痛みは少なく、足にしびれや痛みが現れることです。
先ほども紹介しましたが、腰の骨の間にある柔らかい部分が飛び出して、神経を圧迫することによって起こります。
圧迫された神経は足に繋がっているため、お尻から太もも、ふくらはぎ、さらには足先までしびれを感じることがあります。
ここが最もお伝えしたい事ですが、ヘルニアの症状で腰痛が起こる事はまれであるという事です。
しかし、今回の患者さまのように腰痛で病院を受診したところ、しびれが全くないのにヘルニアだと診断される事は実はとても多いのです。
整骨院で治療ができる症状と気をつけたい症状
腰痛や足のしびれを感じたとき、どこで治療を受けるべきか迷うことがあります。
症状の違いを理解し、自分の症状に合った治療を選ぶことが重要です。
まず、病院で治療を受けるべきかどうかを判断するために、「レッドフラッグ」と呼ばれる緊急を要する症状がないか確認することが大切です。
レッドフラッグとは、以下のような症状を指します
①足に力が入らない
②尿が出にくい、あるいは失禁するなどの排尿に関する問題がある
③ダイエットをしていないのに急激に体重が減った
④しびれとともに発熱がある
特に腰のヘルニアでは足の力が入らない症状や、排尿の問題がある場合があります。
これらの症状がある場合は、すぐに病院で診察を受けることが必要です。
これらの症状は、重度のヘルニアの症状かもしれません。
専門的な医療機関での迅速な対応が必要になります。
では整骨院で治療ができるヘルニアとはどんな症状でしょうか?
それは足のしびれがない腰痛です。
先ほども説明した通り、ヘルニアの主な症状は足のしびれです。
ですので病院でヘルニアだと診断されても、腰痛は別の部分(例えば筋肉の硬さなど)が問題になっている事が多いためです。
他にも坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)などでしびれているケースも多いため、しびれがあったとしても整骨院にて治療する事は可能な場合もあります。
最後に
腰痛とヘルニアは似た存在であると同時にその症状にはかなりの違いがあります。
もちろん、腰のヘルニアは場合によっては手術が必要なこともあるので慎重に症状をチェックする必要があります。
しかし、長年ヘルニアだと言われなかなか腰痛が取れない場合、ヘルニアの他にも要因が隠れている事も多いです。
当院ではヘルニアの検査を行い、必要があれば病院への来院を促すように努めております。
腰痛やヘルニアの事についてご相談がある場合はお気軽に当院の公式LINE・お電話にてお待ちしております。
(監修:柔道整復師・鍼灸師 小竹翔太)